くじゅう花公園でワーケーション

ワーケーションとは、「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語。英語圏の主要メディアは「workcation」と綴る[1][2]。観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別される。働き方改革と新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「新しい日常」の奨励の一環として位置づけられる。
-Wikipediaより-
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施され、コロナ禍による感染状況はまだまだ予断を許さない状況です。
感染症対策は世代や働き方によって一人ひとり出来ることが大きく異なってくるので、「皆で同じことを一斉に」というのは中々難しいのかな…と感じる今日この頃です。
今回は【緊急事態宣言】【まん延防止等重点措置】の期間を避け、ワーケーションを行ったことをご紹介したいと思います。
この記事は緊急事態宣言中に外出を煽る意図や外での作業を推奨するものではありません。
自分がこれからの働き方を見つめ直すきっかけとなった体験を残すことが出来ればと思って書いています。
個人事業主という働き方について

私は普段ホームページや印刷物の制作をご相談いただきお仕事をしています。
自宅で仕事が出来ることで自然と通勤といった外出機会はなくなりますし、一人親方ですので人と接する機会も少ない状況で働いています。家からまったく出ないで1日が終わることも珍しくありません。
個人事業主のメリット・デメリットどちらもあるのですが、勤務場所や勤務時間、休みの日を自分で決められるというのはやはり大きなメリットだと感じています。
個人的にはこうしたメリットは雇用という働き方の方が制度的に優遇されてる気がするからこそ最大限に活用するべきだと思っていて、会社員だった頃の働き方はもうなるべくしないように心掛けています。
むしろ当時出来なかったことを今のうちに試してみるべきだと考えるようになりました。
自分の休みを自分で決める
外出自粛期間が明ければ必ず休日の人出は増えますので、土日はなるべく出掛けず家で仕事をするようになりました。
これは個人事業主になってからというよりコロナの影響が大きいかもしれません。
私は平日に山とか海で遊んでいるけしからん様子をSNSでよくアップしているのですが、これは人の少ない平日に休みを取ることで三密回避を図る働き方を自分なりに試しているところです。
全ての人が同じようなことが出来るわけではないので誰かに推奨するつもりはありません。
一人ひとりが自分に出来る対策を考え、出来る範囲で行動を変えていくことで少しでも感染拡大を防ぐことが出来れば良いなと思っています。
他にも例えば【1日8時間労働】といったルールも特に決めていません。(オーバーすることの方が多いかもしれませんが…)
外出しながら働くには?
個人事業主になって平日に家族で出掛けるようになったのですが、お客様からの問い合わせやお電話は当然入ってきます。
「その時どう対応するのか?」が当初の課題となりました。
そこで目を付けたのが働きながら休暇をとるワーケーションという働き方でした。
私は「三度の飯より仕事が好き」と自信を持って言えるくらいこの仕事を愛しています。例えばキャンプ場や温泉地でslackの通知が入り、修正対応をして戻すことにほぼストレスを感じません。
個人事業主の方なら分かると思うのですが、1ヵ月間チャットや電話で仕事の依頼が入らないことの方が圧倒的に恐ろしいのです。
基本的にはいつも仕事のことを考えていますし、遊びに出掛けるとき急な連絡にもすぐ対応出来るよう必ずノートパソコンを持っています。
スマートフォンのテザリング機能があればどこにいてもネットに接続することができ、クラウド上にデータを保存することで実質どこにいても仕事が可能になりました。
「腰を据えて制作する」という面で普段はデスクトップパソコンでモニターを4枚使って仕事をするスタイルを取っているのですが、出張してホテルに宿泊することも増えてきたので移動しながら働くスタイルを真剣に考え始めたのがきっかけかもしれません。
旅行しながら働けるのか?

ここからが本題となります。そうなってくると「外出というか、旅行しながら働くこと(ほんとのワーケーション)って本当に出来るのか?」が気になってきます。
うちでは毎年家族で高千穂に参拝へ行っているのですが、その道中の移動・宿泊をしながら仕事が出来るかどうか?を試してみました。
結論を先に言うと、私は仕事に集中出来て、家族も楽しく過ごせとても良い経験になりました。
まだまだ色んな課題はあると思うのですが「新しい日常」として人々の生活が豊かになるような働き方を試していければいいなと思っています。
くじゅう花公園でグランピング
くじゅう花公園「花と星」でワーケーションをしてきました🌼https://t.co/IHm3WeL3Si pic.twitter.com/Mr1mhGOXM8
— 三宅 敦@designstudio 35mm (@ds_35mm) August 1, 2021
今回家族を連れてワーケーションをおこなったのはくじゅう花公園にあるグランピング施設です。
■くじゅう花公園「花と星」
私は元々お花が好きなのでこの花公園には妻とよく行ってました。
お花が好きなんです。
大事なことなので2回言いました。
今回手ぶらで行けるグランピング施設があるのを知り、高千穂との中間にあるここでワーケーションを行うことにしてみました。
休暇を過ごす場所で働く

そもそもワーケーションを目的とした施設ではないと思うのですが、グランピングの設備ページを見ていただくと分かるように電源がありますので、あとはネット環境さえ用意すれば問題なく働くことが可能です。
■設備・仕様|くじゅう花公園 花と星
私は炭グリルのテントタイプでBBQをしましたが、テーブルスペースのテントもあるようですので「椅子と机のセット」が欲しい方は事前に問い合わせておくと良いでしょう。
また、園内にはカフェもありますのでちょっとした作業ならこうした施設内でお仕事しても良いと思います。
シャワー・洗面棟もとても綺麗に掃除されていたので気持ち良く過ごすことが出来ました。
個人的にはワーケーションする際「ある程度の広さのテーブルと椅子のセットが屋内にある」「そして電源を確保出来る」というのが大事なポイントのように感じます。
(あぐらをかいたり寝ころんだ状態では集中力が持続しませんし、直射日光を遮る日除けがないとモニターが見ずらいため)
このような設備や電源、机やカフェスペースの有無などを事前に確認すると当日スムーズにワーケーション出来ると思います。
生活の質を高める豊かさを求めて

宿泊したのが平日だったこともあり、密を避けつつ家族も豊かな自然の中でリラックスした様子でした。
(この日はチャット対応やバナーの修正などの軽作業でしたが)私も普段の外出と同じような作業が出来てグランピング施設で休暇を取っていることには誰も気付かなかったと思います。
直請けや運用サポートでご依頼いただいているお客様が多いのでこうした対応が可能ということもあるかもしれません。
ノートパソコンでの作業ですので作業効率自体は下がっていると思いますが、何か今までにない解放感のようなものを感じましたし、日々の暮らしは本来こうあるべきなのでは?とさえ感じました。

たまたまミュージシャンの方が演奏してくれていたのですが、仕事の休憩にプロの演奏が聴けることを「豊かさ」そのもののように感じたのを覚えています。
自分の働き方を再構築する

「腰を据えて集中して制作する」という面では自宅やオフィスで制作するのが一番だと思います。これは間違いなくそうでしょう。
ただ「結果的に会社や部屋に技術者を閉じ込めてしまう」ということには少々違和感を感じ続けていました。
デザイナーという面で考えると感性のようなものはやはり外に出て多くのものに触れて身に付けるべきですし、色んな体験をすることで感じるものがあると思いたいのかもしれません。
パソコンに向かい続けることで技術や知識は身に付きますが感性はどうでしょうか?
また、営業やディレクターのように人と接する機会が多くあった方が外からの刺激や影響を受けやすく、自分たちの考えを相手に説明する力も付くように思います。
そしてこれは自分にとって重要なことなのですが、好きなお花に囲まれて仕事をするというのは素晴らしい体験でした。
自分にしか出来ないことを試していく
うちで言えば妻が子供をしっかり見てくれている「専業主婦兼経理」という役割を担ってくれているから出来ることですし、逆に言えば私は家族の安心を支えていくだけの収入を稼がなければなりません。
私は個人事業主という働き方をしていますが、きっとこれからも自分にしか出来ない強みを考え、トライ&エラーを繰り返しながら家族やお客様にとって最適な働き方を模索していくでしょう。
それは教科書を読み、先生の言う通り行動する類のものとは異なるものだと思っています。
冒頭でもお伝えしましたが、この記事は宣言中の外出を煽る意図や外での作業を推奨するものではありません。
自分がこれからの働き方を見つめ直すための体験を残すべく書きました。
地方に住むただの一個人事業主の感想ですが、願わくばこうした時代背景や不景気に委縮せず、色んなトライ&エラーを試しながらより豊かになっていける働き方を模索していけると良いなと思っています。

参考資料の紹介
ワーケーションという言葉は比較的新しく、その概念も人それぞれで違ったり曖昧なものですが、ワーケーションを理解する上でこちらの書籍が非常に参考になりました。
(例えば場所と時間に関する選択権が本人にあることや非日常の場で行うことなどが重要)
遊びながら働くなどけしからん!という意見もあると思いますし、ごもっともだと思います。
「自分の働き方を再構築する」と書いた通り、働き方を誰かに押し付けるつもりはありませんし、働き方を誰かに押し付けられるつもりもありません。
結局のところ自分たちのやり方でお客さんや家族を幸せに出来るかどうか?だと思いますので、自分は自分の家族の形やお客さんとの関わり方を鑑みてこれからの働き方を考えていこうと思っています。