独立して2年目に入りました。
実家がカメラ屋でした。
小さな町にある、小さなカメラ屋。
高校を出るまでの18年間と上京したり志半ばで出戻ったりを繰り返した数年間をカメラ屋兼自宅で過ごしました。
いわゆる町のDPE屋さんで、今でもNikonのFEやオートフォーカスになったばかりの機種なんかがショーケースの中で静かに眠っています。
屋号である『35mm』という単位はこのネガフィルムからきています。
※ネガフィルムの代表的な規格。フィルムの幅が35mmであることからきている。
なんていうかカメラ屋に生まれたことで私にとってこのネガフィルムはとても思い入れがあり、特別な存在です。
ネガを現像液につけると浮かび上がってくる世界。
その美しさや温かさは撮れる枚数や解像度といった機能、便利さだけがすべてじゃないということを教えてくれました。
その価値は決して懐古主義的なものではなく、フィルムを知らない若い世代にもインスタでフィルム風加工したりと肯定的な受け入れられ方をしています。
【時計であれ、紙であれ、カメラであれ時代が変わっても変わらないもの。末永く愛されるもの】
そういう普遍的な価値のあるものが世の中にはあるんだと感じました。
だからこそ自分が父と同じように個人事業主となるタイミングでカメラに由来のある『35mm』という屋号を付けました。
これは家業は継がなかったけど、その意思を継承したという【父へのオマージュ】です。
照れくさいので言ってないし、言うつもりもありません。カメラ屋からデザイン業と業種も変わりました。
ただ自分のルーツは小さな町の小さなカメラ屋にあり、そこで培ったものを自身のビジネスの思想や理念にしたいと思っています。
独立して1年が経ち、沢山のご縁に恵まれ、デザインやWebというジャンルの中で色んな仕事に関わらせていただきました。
苦労したことや悩んだことも沢山あったけど、ご提案したことが結果となって現れはじめ、少しずつ自分がやるべきことも見えてきました。
今後は【いかに自分の役割を明確にし、いかに人と協力しながらアウトプットを作っていくか?】ということを視野に入れていきたいと思います。
お仕事で依頼をしてくださっている皆さん、独立してから知り合い良くしてくださっている皆さん、前職で一緒に仕事をし今でも連絡をくれる皆さん、家族の皆。
すべての人への感謝を忘れず、仮説と検証を繰り返しながらより良い自分になれるよう今後も頑張っていきたい。
※実家で暮らす猫。招き猫としてお客様や近所の人に愛されている。