家族で社員旅行

DesignStudio 35mmでは毎年社員旅行で高千穂参拝へ行っています。
去年も同じ時期に三人でくじゅう花公園でワーケーションをしながら参拝に行ってました。
うちのメンバーは事業主の私、経理担当の妻さん、そして癒し担当のちびさんが新たにジョインしました。
今年はグランピングではなくキャンプ場で一泊し、より「旅」に近い形で行きました(高千穂はほんと遠い💦)
去年は個人事業主の特権をフルに使って平日に休んで土日働いていたのですが、今回はGWの真っ只中にちゃんと休みをとったことも去年と違う点です。

残念なことにコロナはまだ終息していませんが、土日に移動を避けていたことはなくなりました。
「封じ込める」というフェーズから感染症対策をしながら「共存していく」フェーズに変わったのかもしれません。日本国内でさえ感染症対策の自粛レベルにはかなりの差がありますが、どことなく後ろめたかった感覚がなくなった気がします。
ツイッターを見ていても今年は多くの方が対策をしながら移動や旅行を楽しまれているようでした。
高千穂の観光産業に携わる方々もとても忙しそうで生き生きとしていました。
今年も道中に感じたことや、今 私が考えていることを書いてみようと思います。
個人事業主の働き方や暮らし方にご興味がある方は読んでみてくださいね。
留まらない働き方を模索する




私は「地球が仕事場」をモットーに日々お仕事をしているのですが、なるべく一所に留まらない働き方を試行錯誤しています。
例えば森の中で仕事をしてみたり、図書館で調べ事をしたり、深夜のジョイフルなど広めの卓で紙を広げて事業構想を考えたりします。
デザインやホームページの構築作業をしていない時はほぼ家にいません。
これは出張や客先訪問で移動し、お客さんや関係者とコミュニケーションを取りながら働く感覚を拡張していくようなニュアンスなのですが、近頃話題の「フリーランスになって自由な働き方をしよう!」というニュアンスとの違いを伝えることは難しい気がしています。
結局やっていることは同じですし、自分の行動が初学者や駆け出しの方にとって悪影響だと感じています。


ただ自分は人を導くような立場ではありませんし、誰かに雇われてもいませんので界隈や業界のべき論からは距離を置き、あまり人と群れることなく己の道を歩み家族と暮らしていこうと決めました。
個人的には何をやるにしても周囲の雑音を聞き過ぎない方が良いと思っています。
何を肯定するも否定するも個人の自由です。
自分の背負った環境や境遇で何を選択し、どう生きていくのか?
もう子供ではありませんので、その積み重ねこそが誰のせいにもできない自分の人生を作っていくことを覚悟すべきだと思います。
(そんな変わり者の私と一緒に遊んでくれ、一緒にお仕事をしてくれる皆のことを心から愛しています。ありがとう!また一緒に飲もう!)
自分の価値観を見つめ直す


10年前はなんとかしてこの業界に入り込めないものか…私も界隈の一員となってあわよくば有名人になれやしないかと必死だったのですが、今はその業界から飛び出しはみ出し者になろうとしているのかもしれません。
理由は業界を取り巻く空気感や叩かれないような生き方をしていくことがとても窮屈で、Webデザイナーとかクリエイターという肩書きで生きることに魅力を感じなくなったんだと思います。
いつからか自分の興味があることと日々議論されていることにギャップが出来てしまったような気がしました。
これは年をとってから「東京」という場所に以前のような興味がなくなったことと似てるかもしれません。
東京やWeb業界に魅力がなくなったわけではなく、自分の価値観ややりたいことが変わったんだと思います。
世の中はもちろん、私自身も止まることなく移ろい、変わり続けています。
時々角度を変えてものごとを見直す必要があると思いませんか?
全ての人にとって同じ答えなどないと思いますが、激動する時代の節目として今こそ自分の価値観を見つめ直すタイミングなのかもしれません。
僕らが旅に出る理由

私は会社に勤めていた頃、空気ばかりを読んで自分の意見が言えませんでした。
規則やルールを破って怒られることを極度に恐れていましたし、自分の能力は上司が決めるものなんだと思っていました。
(それは会社のせいというよりも事なかれ主義の私自身の弱さだと思うのですが)一カ所に留まることの弊害として、閉鎖的な空間での常識が全てになってしまい、多様性や自分で思考することを止めてしまうことがある気がします。
今回の旅で「五感が開く」という表現をしたのですが、旅には感受性を高めてくれる効果が確かにあると思います。
日常を離れた場所で見るものすべてが新鮮で、それは凝り固まって濁った価値観を優しくほぐしてくれます。
血液が体内を循環していくように、五感を開くことで止まっていた思考が再び動き出し、正常な判断が出来るのではと思っています。

冷静に考えると「上司に評価されることが自分の能力」なわけがありませんし、そもそも会社の空気が淀んでいることや間違ったことを疑問に思えなくなっているかもしれませんよね。
そうしたしがらみや圧力から離れることで自分らしさを取り戻し、心をフラットな状態に戻すことは仕事においても人生においてもとても大切なことだと考えています。
特に上司やお客さんなど誰かに自分の意見がハッキリと言えない状況にある場合、一度その場を離れ本来の自分らしさを取り戻した方が良いと思っています。
脳内で麻薬を作れます

大いに誤解を招く表現ですが、旅をして五感が開く感覚はドラッグや大麻で得られるような一時的な高揚感・自己肯定感に近いかもしれません(やったことないよ!)
というか私レベルのクリエイターになるとドラッグなんぞやらなくても脳内麻薬をいくらでも作り出せるんですが、作ったところで気持ちがハイになるだけでデザインが上手くなることもセンスが上がることもないこともドラッグと似ている気がします。
それでも時間をとって遠くの場所まで旅をするのはデザイナーがロマンチストじゃなくなったら世界は輝きを失うと思うからです。
感受性は技術や経験よりもずっと前にあるクリエイティブの源泉のようなものです。
旅先でいつもよりご飯が美味しく感じたり、ドライブしてる時の音楽が心地良いことがありませんか?

その感覚の鋭さこそが「表現」の原動力であり、技術や経験を伴う手法を経ることで形へと昇華していきます。手法とは言葉や写真、絵、デザイン、プログラムなどあらゆる行為です。
私は中二を過ぎても嬉々としてポエムを書き続けてきましたし、何もない平凡な日常でさえ飽きることなくいっぱい写真におさめてきました。
誰にバカにされようが自分の作り出す詩と写真は最高だな!といつも思っていました。
残念ながらそうした技術は自己満足で専門領域に達することはありませんでしたが、ホームページを作る際のキャッチコピーや原稿作成、ビジュアルデザインやフォトディレクションにはしっかりと活かされています。
自分の原体験を振り返ってみると純粋すぎるほどピュアで感受性が高かったですし、金になるかどうかなんて全く興味がありませんでしたが結果として今の仕事に繋がりました。
だからこそ旅に出て感受性を高めることはとても大切なことだと思っています。
創造性には四季がある

これは「クリエイティブと日課」という本に書かれていた言葉です。
私たちはもしかすると成長することにこだわり過ぎているのかもしれません。
休む間を惜しみ、ひたすら成長し続けなければいけないと思い、その結果内省する時間があまりにも少なすぎるからです。
冬、木は死んだように見えるけれど、内部ではとても奥深いプロセスが始まっている。そこから春と夏がやってくるのよ。
この本にはそう書いてありました。

今回の旅を通してそのことを実感しました。
今年のGWは独立後もっとも長く休んだ気がします。そして最も長く家族や自分自身と向き合う時間が取れました。そうした時間が今後の制作活動や個人事業主としての暮らし方にプラスとなるように、私自身が変わっていきたいと思っています。
これからの私がやるべきこと

最後になりますが私は「仕事も遊びも全力投球」という言葉が大嫌いでした。
なんだか気を休める時間がないような気がしますし、なんとなく(あまり空気のよくない会社で)休日も社員同士で集まったりすることを奨励している雰囲気があるからかもしれません。
今この言葉が自分にしっくりきているのは家族と共に仕事を心から楽しめているからだと思います。
仕事を休んで遊んでいることが実は仕事にプラスになると気付けたことで休みながら仕事をすることさえも可能だと感じています。
時々「個人事業主か会社員か?」が語られるとき、安定や収入、そして(間違った)自由ばかり注目されますが、私はどれもあまり興味が持てませんでした。
とてつもなく大切なことを見落としてしまっているような気さえします。
自分はこの1度しかない人生で心からやりたいと感じたことを思い切りやれてるのだろうか?
誰かに遠慮したり自分を過小評価してはいないだろうか?
独立して4年経ちましたが、私がやるべきことは結局のところ3つしかありません。

1.大好きな仕事に熱中しお客さんに喜んでもらうこと
2.家族を毎年社員旅行に連れて行けるよう頑張って働くこと
3.常に自分自身に軸を置くこと
当たり前のことですが、個人事業主ならではの楽しみややり甲斐は自分の頭で考え、自分の手で作り、自分の心で感じていくべきで他人に決められることではありませんよね。
(私が書いたこととあなたが今感じていることなんて全く逆かもしれません)
今回の旅でそうしたことを自分の中に落とし込めたような気がしています。
来年もこうして家族を連れて旅行に行けるように、ひとつひとつ丁寧な仕事を心掛けて月曜日からまた頑張ります。
とても長い文章で読むのが疲れたでしょう?
何か琴線に触れるようなものがあったらいいのですが。
読んでくれてありがとう。それじゃあおやすみなさい。
stay hungry, stay foolish.
参考資料の紹介

記事の中で引用した書籍の紹介です。
何度も繰り返し読み返した本です。もしかすると何か創作・制作活動のヒントになる言葉があるかもしれません。
Amazonリンクは踏まなくてかまいません。
あなたにとってもお気に入りの本になると嬉しいです。